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東京地方裁判所 平成9年(特わ)2253号・平9年(特わ)2520号

右の者らに対する各消費税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官大圖明、弁護人石崎健一各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社ネオ・ルネッサンス・コーポレーションを罰金二〇〇〇万円に、

被告人株式会社ジャスト・インターナショナルを罰金一二〇〇万円に、

被告人柳澤宗夫を懲役二年六月に処する。

被告人柳澤宗夫に対し、未決勾留日数のうち九〇日をその刑に算入する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社ネオ・ルネッサンス・コーポレーション(以下「被告会社ネオ・ルネッサンス」という)は、東京都豊島区千早四丁目一八番五号に本店を置き、不動産の売買及び賃貸借等を目的とする資本金二〇〇〇万円(平成四年二月二一日以前は五〇〇万円)の株式会社、被告人株式会社ジャスト・インターナショナル(以下「被告会社ジャスト」という)は、東京都港区高輪四丁目二四番五五号(平成六年一一月一九日以前は、東京都港区六本木六丁目六番三号)に本店を置き、不動産の売買及び賃貸借等を目的とする資本金一六〇〇万円の株式会社であり、被告人柳澤宗夫(以下「被告人」という)は、被告会社ネオ・ルネッサンスについてはその実質的な経営者(なお、平成八年一〇月二〇日付けで被告人が代表取締役に就任したとの登記が、平成九年一一月一三日になされている)として被告会社ジャストについてはその代表取締役として、それぞれその業務全般を統括しているものであるが

第一  被告人は、被告会社ネオ・ルネッサンスの業務に関し、消費税を免れるとともに、不正にその還付を受けようと企て

一1  平成三年九月一日から平成四年八月三一日までの課税期間における被告会社ネオ・ルネッサンスの実際の課税標準額が二億二九二四万円で、これに対する消費税額が六八七万七二〇〇円であり、これから控除されるべき消費税額が四〇七万二三五〇円で、納付すべき消費税額が二八〇万四八〇〇円であったにもかかわらず、課税仕入れにかかる消費税額を過大に計上するなどの方法により、平成四年一一月二日、東京都豊島区西池袋三丁目三三番二二号所在の所轄豊島税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が二八億三九〇七万二〇〇〇円で、これに対する消費税額が八五一七万二一六〇円であり、これから控除されるべき消費税額が一億〇四一七万六九六七円であって、控除不足額が一九〇〇万四八〇七円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(平成九年押第一八〇六号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、右課税期間の納付すべき消費税二八〇万四八〇〇円(別紙1税額計算書参照)を免れ

2  右の内容虚偽の消費税確定申告書を提出することによって、同税務署長をして、右控除不足額一九〇〇万四八〇七円を被告会社ネオ・ルネッサンスに還付することを決定させた上、同年一二月二九日、東京都品川区北品川四丁目七番三五号所在のさくら銀行五反田支店御殿山ヒルズ出張所に開設した被告会社ネオ・ルネッサンス名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の控除不足額に相当する消費税一九〇〇万四八〇七円(別紙1税額計算書参照)の還付を受け

二1  平成四年九月一日から平成五年八月三一日までの課税期間における被告会社ネオ・ルネッサンスの実際の課税標準額が一億九五九一万八〇〇〇円で、これに対する消費税額が五八七万七五四〇円であり、これから控除されるべき消費税額が三五七万四八三四円で、納付すべき消費税額が二三〇万二七〇〇円であったにもかかわらず、前記一1と同様の方法により、平成五年一一月一日、前記豊島税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が一億九〇七四万二〇〇〇円で、これに対する消費税額が五七二万二二六〇円であり、これから控除されるべき消費税額が三六三二万五九四九円であって、控除不足額が三〇六〇万三六八九円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、右課税期間の納付すべき消費税二三〇万二七〇〇円(別紙2税額計算書参照)を免れ

2  右の内容虚偽の消費税確定申告書を提出することによって、同税務署長をして、右控除不足額三〇六〇万三六八九円を被告会社ネオ・ルネッサンスに還付することを決定させた上、同年一二月二日、東京都港区高輪三丁目二六番三三号所在の三菱銀行品川駅前支店に開設した被告会社ネオ・ルネッサンス名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の控除不足額に相当する消費税三〇六〇万三六八九円(別紙2税額計算書参照)の還付を受け

三1  平成五年九月一日から平成六年八月三一日までの課税期間における被告会社ネオ・ルネッサンスの実際の課税標準額が一億六〇九四万円で、これに対する消費税額が四八二万八二〇〇円であり、これから控除されるべき消費税額が三〇二万一八四七円で、納付すべき消費税額が一八〇万六三〇〇円であったにもかかわらず、前記一1と同様の方法により、平成六年一〇月三一日、前記豊島税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が三億四一三一万八〇〇〇円で、これに対する消費税額が一〇二三万九五四〇円であり、これから控除されるべき消費税額が四二九五万九〇五〇円であって、控除不足額が三二七一万九五一〇円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、右課税期間の納付すべき消費税一八〇万六三〇〇円(別紙3税額計算書参照)を免れ

2  右の内容虚偽の消費税確定申告書を提出することによって、同税務署長をして、右控除不足額三二七一万九五一〇円を被告会社ネオ・ルネッサンスに還付することを決定させた上、同年一二月五日、東京都港区高輪三丁目二三番一七号所在のさくら銀行品川駅前支店に開設した被告会社ネオ・ルネッサンス名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の控除不足額に相当する消費税三二七一万九五一〇円(別紙3税額計算書参照)の還付を受け

第二  被告人は、被告会社ジャストの業務に関し、不正に消費税の還付を受けようと企て、

一  平成四年七月一日から平成五年六月三〇日までの課税期間における被告会社ジャストの実際の課税標準額が一一三七万七〇〇〇円で、これに対する消費税額が三四万一三一〇円であり、これから控除されるべき消費税額が九〇万一七四七円で、控除不足額が五六万〇四三七円であったにもかかわらず、課税仕入れにかかる消費税額を過大に計上するなどの方法により、平成五年八月三一日、東京都港区西麻布三丁目三番五号所在の所轄麻布税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が三一三六万五〇〇〇円で、これに対する消費税額が九四万〇九五〇円であり、これから控除されるべき消費税額が二七五三万七九五三円であって、控除不足額が二六五九万七〇〇三円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(同押号の4)を提出し、よって、同税務署長をして、右控除不足額二六五九万七〇〇三円を被告会社ジャストに還付することを決定させた上、平成六年四月二六日、前記さくら銀行品川駅前支店に開設した被告会社ジャスト名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の実際の控除不足額五六万〇四三七円と右申告に係る控除不足額二六五九万七〇〇三円との差額に相当する消費税二六〇三万六五六六円(別紙4税額計算書参照)の還付を受け

二  平成五年七月一日から平成六年六月三〇日までの課税期間において、被告会社ジャストが消費税を納める義務を免除された事業者であり、同課税期間における課税標準額及び控除されるべき消費税額がなかったにもかかわらず、前記一と同様の方法により、平成六年八月三一日、前記麻布税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が九〇一三万六〇〇〇円で、これに対する消費税額が二七〇万四〇八〇円であり、これから控除されるべき消費税額が二〇四五万八四一六円であって、控除不足額が一七七五万四三三六円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(同押号の5)を提出し、よって、同税務署長をして、右控除不足額一七七五万四三三六円を被告会社ジャストに還付することを決定させた上、同年一二月二日、前記さくら銀行品川駅前支店に開設した被告会社ジャスト名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の控除不足額に相当する消費税一七七五万四三三六円(別紙5税額計算書参照)の還付を受け

三  平成六年七月一日から平成七年六月三〇日までの課税期間において、被告会社ジャストが消費税を納める義務を免除された事業者であり、同課税期間における課税標準額及び控除されるべき消費税額がなかったにもかかわらず、前記一と同様の方法により、平成七年八月三一日、東京都港区芝五丁目八番一号所在の所轄芝税務署において、同税務署長に対し、課税標準額が二億七八二八万三〇〇〇円で、これに対する消費税額が八三四万八四九〇円であり、これから控除されるべき消費税額が一五三三万二九五一円であって、控除不足額が六九八万四四六一円である旨の内容虚偽の消費税確定申告書(同押号の6)を提出し、よって、同税務署長をして、右控除不足額六九八万四四六一円を被告会社ジャストに還付することを決定させた上、同年一二月五日、前記さくら銀行品川駅前支店に開設した被告会社ジャスト名義の普通預金口座に振込入金させ、もって、不正の行為により、右課税期間の控除不足額に相当する消費税六九八万四四六一円(別紙6税額計算書参照)の還付を受け

たものである。

(証拠の標目)

※ 括弧内の甲乙の番号は証拠等関係カードにおける検察官請求証拠の番号を示す。

判示全事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  第一回及び第二回公判調書中の被告人の各供述部分

一  被告人の検察官に対する供述調書(乙二)

一  尾関史郎の検察官に対する供述調書(甲五二)

一  大蔵事務官作成の査察官報告書(甲三〇)

判示第一の事実について

一  被告人の検察官に対する供述調書五通(乙三ないし七)

一  加藤佐代子(甲五〇)、秋山幸彦(甲五一)及び山口春美(甲六一)の検察官に対する各供述調書

一  検察事務官作成の捜査報告書八通(甲一ないし四、一〇、一六、一七、二八)

一  大蔵事務官作成の不動産課税仕入調査書(甲一一)、ホテル売上原価調査書(甲一四)及び領置てん末書(甲三六)

一  登記官作成の履歴事項全部証明書(二通=甲四七、六四)及び閉鎖登記簿謄本(甲四八)

判示第一の一及び三の事実について

一  大蔵事務官作成のスタジオ使用料原価調査書(甲一五)

判示第一の二及び三の事実について

一  大石惠津子の検察官に対する供述調書(甲五三)

一  大蔵事務官作成のスタジオ使用料調査書(甲七)

判示第一の一の事実について

一  検察事務官作成の捜査報告書(甲九)

一  大蔵事務官作成の建設・内装売上調査書(甲五)、ホテル売上調査書(甲六)及び建設・内装原価調査書(甲一三)

一  押収してある消費税確定申告書一袋(平成九年押第一八〇六号の1)

判示第一の一の2の事実について

一  検察事務官作成の電話聴取書(甲三二)

一  大蔵事務官作成の検査てん末書(甲三一)及び建設・内装原価調査書(甲一三)

判示第一の二の事実について

一  押収してある消費税確定申告書一袋(同押号の2)

判示第一の二の2の事実について

一  大蔵事務官作成の検査てん末書(甲三三)

判示第一の三の事実について

一  大蔵事務官作成の宝飾品売上調査書(甲八)及び宝飾品原価調査書(甲一二)

一  押収してある消費税確定申告書一袋(同押号の3)

判示第一の三及び第二の二の事実について

一  上村英一の検察官に対する供述調書(甲五四)

判示第一の三の2及び第二の事実について

一  大蔵事務官作成の検査てん末書(甲三四)

判示第二の事実について

一  被告人の検察官に対する供述調書二通(乙一二、一三)

一  柳澤悦子(甲六〇)及び山口春美(甲六二)の検察官に対する各供述調書

一  検察事務官作成の捜査報告書(甲二九)

一  大蔵事務官作成の課税事業者判定調査書(甲一八)、課税売上割合調査書(甲一九)、課税標準額調査書(甲二〇)、控除対象仕入税額調査書(甲二一)、管財収入調査書(甲二四)、不動産課税仕入調査書(甲二五)、販売費及び一般管理費調査書(甲二七)及び領置てん末書(甲四一)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲四九)及び閉鎖登記簿謄本二通(甲六五、六六)

判示第二の一及び三の事実について

一  被告人の検察官に対する供述調書(乙一一)

判示第二の二及び三の事実について

一  大蔵事務官作成の不動産売上高調査書(甲二二)及び商品売上高調査書(甲二三)

判示第二の一の事実について

一  被告人の検察官に対する供述調書(乙八)

一  柳澤紘(甲五五)、金沢愛子(甲五六)及び栁澤(甲五七)の検察官に対する各供述調書

一  押収してある消費税確定申告書一袋(同押号の4)

判示第二の二の事実について

一  被告人の検察官に対する供述調書二通(乙九、一〇)

一  金森良充の検察官に対する供述調書(甲五八)

一  大蔵事務官作成の商品仕入高調査書(甲二六)

一  押収してある消費税確定申告書一袋(同押号の5)

判示第二の三の事実について

一  押収してある消費税確定申告書一袋(同押号の6)

(法令の適用)

注1 以下の消費税法の条項のうち、七〇条一項は、平成六年法律第一〇九号による改正前のものを指す(右法律第一〇九号附則二三条による)。

2 以下の「改正前の刑法」は、平成七年法律第九一号による改正前の刑法を、「改正附則」は右法律第九一号の附則をそれぞれ指す。

被告人の判示第一の一ないし三の各所為は、それぞれ包括して消費税法七〇条一項、六四条一項に(各1の点はそれ自体としては同項一号に、各2の点はそれ自体としては同項二号に当たるが、各1と各2の各罪は、それぞれ同一人の同一課税期間の消費税に係るもので、同一の消費税確定申告書の提出を実行行為の中核とするもので、法定刑も同一であるから、いわゆる包括一罪の関係にあると解するのが相当である)、判示第二の一ないし三の各所為は、いずれも消費税法七〇条一項、六四条一項二号に該当するところ、各所定刑中いずれも懲役刑を選択し、改正附則二条二項により、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第一の三の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役二年六月に処し、改正附則二条三項により、刑法二一条を適用して未決勾留日数中九〇日を右刑に算入することとし、さらに、被告人の判示第一の一ないし三の各所為は被告会社ネオ・ルネッサンスの業務に関してなされたものであるから、被告会社ネオ・ルネッサンスについては消費税法七〇条一項により同法六四条一項の罰金刑に処せらるべきところ、情状によりそれぞれ同条二項を適用し(それぞれの免れた消費税額と還付を受けた消費税額との合計額が罰金刑の多額となる)、改正附則二条一項により、以上は改正前の刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で被告会社ネオ・ルネッサンスを罰金二〇〇〇万円に処し、被告人の判示第二の一ないし三の各所為は被告会社ジャストの業務に関してなされたものであるから、被告会社ジャストについては消費税法七〇条一項により同法六四条一項の罰金刑に処せられるべきところ、情状によりそれぞれ同条二項を適用し、改正附則二条二項により、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金の多額を合計した金額の範囲内で被告会社ジャストを罰金一二〇〇万円に処することとする。

(被告人についての量刑の理由)

本件は、不動産会社である被告会社ネオ・ルネッサンス及び被告会社ジャストの実質的経営者あるいは代表取締役であった被告人が、両被告会社の事業に関し、架空の課税仕入高を計上するなどして、三課税期間にわたり、被告会社ネオ・ルネッサンスについて消費税合計六九一万円余をほ脱するとともに、両被告会社について合計一億三三一〇万円余の消費税の不正還付を受けたという事案である。

我が国の消費税制度は、最終消費に至るまでの各取引のすべての段階で課税した上、税の累積を排除するため、各取引の前段階の取引(課税仕入)にかかる消費税額を控除する方式を採用している。このため、消費税額は、課税標準にかかる消費税額から課税仕入にかかる消費税額を控除した金額となり、課税仕入にかかる消費税額が課税標準にかかる消費税額を上回るときは、その差額を還付することとしている。そこで、被告人は、このような消費税における税額控除及びこれに基づく還付手続に目を付け、税務調査が入ることも予想して、架空の売買契約書や合意書を作成するなどした上で、所轄税務署長に対して、控除される課税仕入にかかる消費税額を過大に計上するなどした消費税確定申告書を提出し、納付すべき消費税を免れ、あるいは不正に消費税の還付を受けたものであって、本件は計画的に巧妙な手口を用いた悪質な犯行というべきである。本件犯行の動機をみても、被告人は、右両被告会社の資金繰りが苦しく、また、多数の民事訴訟を抱えてその費用の調達に苦慮していたことから、その運転資金や訴訟費用を捻出するために本件犯行に及んだというものであり、格別斟酌すべき点は見当たらない。本件において、被告人がほ脱した消費税および不正に還付を受けた消費税の各金額は、前記のとおりであって、特に後者は高額であるところ、本件の消費税の不正受還付の犯行は、刑法上の詐欺罪に近い性質を有するものであって、この不正受還付の金額は、所得税・法人税のほ脱犯におけるほ脱税額よりは、量刑上大きなウエイトを占めるものとみるべきである。そして、本件の不正受還付金については、これまでに両被告会社から合計四〇〇万円が返納されているにとどまり、その余については将来返納される確実な見込みも立っていない。加えて、納税者に対する信頼に基いて、消費税についても、自主申告方式が採用され、かつ還付手続の簡素化が図られているのであるが、被告人は、このような信頼を逆手に取って消費税制度を悪用し、両被告会社に多額の不当利得を得させたものであって、本件は、国民の消費税制度に対する信頼感を揺るがし、不公平感を醸成しかねないものであり、本件については、一般予防の見地をも重視しなければならない。これらの事情を考え併せると、被告人の刑事責任は重いというべきである。

したがって、被告人は、調査段階の初期には否認していたが、その後本件犯行を認めるようになり、検察官による取調べにおいては事実関係を率直に供述するなど、反省の態度を示していること、被告人は、前記の四〇〇万円のほかに、これからも少しずつではあるが、両被告会社から不正受還付金が返納されるように努力すると述べていること、被告人には前科前歴が全くないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分斟酌しても、被告人に対しては、主文の懲役刑の実刑が相当と判断される。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑―被告会社ネオ・ルネッサンスに対し罰金二五〇〇万円、被告会社ジャストに対し罰金一五〇〇万円、被告人に対し懲役三年六月)

(裁判長裁判官 安廣文夫 裁判官 阿部浩巳 裁判官 飯畑勝之)

別紙1

税額計算書

自 平成3年9月1日

至 平成4年8月31日

株式会社ネオ・ルネッサンス・コーポレーション

<省略>

別紙2

税額計算書

自 平成4年9月1日

至 平成5年8月31日

株式会社ネオ・ルネッサンス・コーポレーション

<省略>

別紙3

税額計算書

自 平成5年9月1日

至 平成6年8月31日

株式会社ネオ・ルネッサンス・コーポレーション

<省略>

別紙4

税額計算書

自 平成4年7月1日

至 平成5年6月30日

株式会社ジャスト・インターナショナル

<省略>

別紙5

税額計算書

自 平成5年7月1日

至 平成6年6月30日

株式会社ジャスト・インターナショナル

<省略>

別紙6

税額計算書

自 平成6年7月1日

至 平成7年6月30日

株式会社ジャスト・インターナショナル

<省略>

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